初めて寄稿します。Kと申します。
一年程前より、まきばの宿直スタッフとして週一回程度、緑のまきばの入居者たちと関わってきましたが、この度別の福祉業種への就業のため、こちらは一旦退かせていただくこととなりました。
最初で最後となりますが、最近の個人的経験をシェアしたいと筆を執っています。それは先日、自分の行っている教会が主催するタイへのツアーに参加したことです。
実は二度目の参加でしたが、今回もまた季節のギャップ(タイは年中夏!)に振り回され、植物の美しさに驚き、食べ物の美味しさに夢中になり、街や人々の開放感に伸び伸びとし…と、どっぷりと浸って参りました。メンバーがスマホを失くすアクシデントや、熱中症になりかけるなどのドキドキもありましたが、神様と人々に助けられて受けるものの多い旅でした。
訪問したのは主にタイの北部で、山岳地帯には少数民族の住まう村が多くあります。
彼らはタイ国内で低い地位にあり、貧困下にあります。彼らの経済的向上、民族自律のためのツールとして用いられているのが、コーヒーです。
時に宣教師が介入し、また自民族を助けるべく自ら立ち上がった人々が、様々な工夫をしてコーヒーの栽培から収穫、焙煎、出荷まで漕ぎ着け、また山に"インスタ映え"のする大きなカフェを開いて職業提供するなど、驚くべき開拓を重ねています。
私たちも実際に村を訪ね、幾人かの村人に会い、話し、コーヒーを飲みました。説明を受けながらコーヒー豆の乾燥場を見学し、生のコーヒーチェリーの収穫体験もしました。直径1cmに満たない実を、1kg取ってようやく5バーツ(約20円)の稼ぎなのだそうです。彼らはそのような現実を生きています。
もう一つのエピソードを紹介します。
私たちは、ある児童養護施設も訪問しました。この施設を設置した女性は、自身も被虐待経験のある少数民族出身者です。彼女の語ってくれた、施設運営にあたっての信条が印象的です。
1、主に全てを委ねること。
2、お金・時間、全てのことに対して忠実であること。
3、忍耐すること。
そしてこの3つを土台として、愛が一番上に来るのだと。実際に、そこで会った子ども達の弾ける笑顔には強く心打たれました。困難な境遇にある彼らではありながら、その上に神の愛が行き渡り覆っていく様を、目の当たりにする思いでした。
私自身、日本での経験と照らしつつ(単純に比較できるものではありません)、今後のためにも大変勉強になる機会でした。
最後にタイのトイレ事情をシェアして終わります。タイのトイレは基本ペーパーを流すことができません。シャワーで流してそのままか、もしくはティッシュで拭ってゴミ箱にポイです。最上位の境遇ではティッシュも、ゴミ箱すら設置されていません。水洗スイッチがない場合には、傍に置かれた水貯めから手桶で救った水でflushします。夜に電気がなかった際にはスマホの画面の照度を最大にしてなんとかこなしたものでした。壁にはヤモリがいました。
ちなみに水道水は飲めません。
さて、そんなわけで、一度もお腹も壊さず無事に帰ってこられました。行かせていただけたことに感謝しつつ…
まきばでの一年余りの生活も終わりを告げてしまいました。時に難しさを覚えながらも、スタッフの皆さんや子供たちから、大事なことをたくさん学び、楽しく、濃ゆい一年でした。ここに出会わせていただけたことにも大変大変感謝しております。ありがとうございました。
そして今後のまきばの歩みのために、お祈りしております。
緑のまきばスタッフ K